司法書士・土地家屋調査士・測量士のトリプルライセンスの岡田洋輔総合事務所

誘導尋問が招く信用失墜

 今日は、福岡県土地家屋調査士会の研修会にウェブで参加しました。構成は、土地家屋調査士法改正の経緯の解説と、フリーアナウンサーの魚住りえ氏による聞き方・話し方の講演でした。
 研修会で面白かったのは、魚住氏の講演でした。講演についてですが、まず初めに、相手に印象付ける話し方をしましょうということで、発声練習を行いました。その次に、話の聞き方・話し方のコツについての講演がありました。聞き方で大事なのは、「相手の発言に対し、さも興味ありげにオウム返しする。」ということでした。次に話し方の講演がありました。話し方で大事なのは、「誘導尋問をしない。」ということでした。具体的には、「相手の回答範囲を狭めるような質問は駄目。」ということです。例えば、「あなたは甘いものが好きですよね?ここにお菓子がありますよ。」と言われたら、何となく「そうですね。ではいただきます。」といって、本当は辛い物が食べたいのに、雰囲気に流されて返事をした記憶が皆さんにはありませんか?私にはあります。別に興味のないことに誘われても、いつの間にかお膳立てされていたら、何となく参加してしまったりして、後で何となく後悔してしまうということが、私にはあります。魚住氏も、フジテレビのアナウンサー時代に、誘導尋問とお膳立てのセットで芸能人にお節介を焼いて、番組を降板させられる寸前までになったという話をされていました。
 司法書士では裁判で、土地家屋調査士は境界立会で、相手方に誘導尋問をする恐れがありますし、私生活でも誘導尋問をしたり又はされたりする可能性はいくらでもあります。そうなると、尋問された方は、その場は雰囲気に流されて何となく返事をしてしまい、後で後悔して、結果的に誘導尋問をした司法書士・土地家屋調査士に対して不信感を抱くことに繋がることになります。このようなことは、専門職として、人として、あってはならないことだと思います。
 今日は、相手方の自由裁量のある回答が得られるような話し方・質問の仕方をしなければならないと思いました。有意義な研修だったと思いました。

タイトルとURLをコピーしました